YAMAHA RTX リモートアクセスVPN 2要素認証のトラブルシューティング
文書更新日:2026-10-03
YAMAHA RTXとSingleIDのRADIUSサーバを連携し、パスワードとOTPによる2要素認証を使用するリモートアクセスVPNに接続できない場合の切り分け方法を説明します。本ページでは、Windows標準VPNクライアントを使用します。
トラブルシューティング前の準備
現在のログ出力設定を記録してから、YAMAHA RTXで次のコマンドを実行し、IKEとL2TPの詳細ログを有効にしてVPN接続を再試行します。<gateway_id>には、対象のセキュリティ・ゲートウェイの識別子を指定してください。複数のセキュリティ・ゲートウェイを使用している場合は、対象となるすべてのgateway_idにipsec ike logを設定します。
syslog debug on
l2tp syslog on
ipsec ike log <gateway_id> message-info
DEBUGログは大量に出力されるため、確認後はトラブルシューティング前の設定へ戻してください。今回の確認のために各設定を有効にした場合は、次のコマンドで無効化します。複数のgateway_idに設定した場合は、それぞれにno ipsec ike logを実行してください。
no ipsec ike log <gateway_id>
l2tp syslog off
syslog debug off
SingleIDの認証結果の切り分け
番号付きのボックスをクリックすると、それぞれの詳細フローチャートへ移動します。
Info
SingleIDのRADIUS認証ログが表示されるまで、認証実行後から5分程度かかる場合があります。認証直後にログが表示されない場合は、少し時間をおいてから再度確認してください。
サイト識別失敗ログだけが表示される場合は、対象ユーザの認証結果ログがないものとして、1. 対象ユーザの認証結果ログがないへ進んでください。
対象ユーザの認証結果ログがない場合
SingleIDに対象ユーザの認証結果ログがない場合は、VPN接続のどの段階で処理が止まっているかを確認します。
1. 対象ユーザの認証結果ログがない
対象ユーザの認証結果ログがない場合は、YAMAHA RTXのログに記録されたメッセージを確認し、IKE、L2TP、PPPユーザ認証、RADIUSの順に処理状況を確認します。
YAMAHA RTXでshow log reverseを実行し、接続を試行した時刻のログから処理が止まった段階を確認します。
| YAMAHA RTXのログ | 切り分けと確認内容 |
|---|---|
接続試行時刻に[IKE]を含むログがない |
IKE接続試行の到達を確認できません。VPNクライアント、通信経路、YAMAHA RTXの順に確認します。 |
[IKE]を含むログはあるが、[L2TP] TUNNEL[...] connected from ...がない |
L2TP接続要求の受信を確認できません。VPNクライアント、通信経路、YAMAHA RTXの順に確認します。 |
[L2TP] TUNNEL[...] connected from ...はあるが、tunnel ... establishedまたはsession ... establishedがない |
L2TPセッションの確立を確認できません。VPNクライアントとYAMAHA RTXを確認します。 |
[L2TP] TUNNEL[...] session ... establishedはあるが、PP[ANONYMOUSxx] Call detected from user '...'がない |
PPPユーザ認証の開始を確認できません。VPNクライアントとYAMAHA RTXを確認します。 |
クライアント側の設定と通信環境に問題がない場合は、ログで処理が止まった段階に対応するYAMAHA RTXのIPsec、L2TP、トンネル、同時接続数、PPP認証方式、匿名接続設定を確認します。
ローカルユーザ
接続時のユーザ名がpp auth usernameに登録されている場合、YAMAHA RTXのローカル認証が使用されます。ローカルパスワードが一致しない場合もSingleIDのRADIUS認証へフォールバックせず、認証に失敗します。同じユーザ名をYAMAHA RTXとSingleIDの両方に登録している場合は、SingleIDに対象ユーザの認証結果ログが記録されません。
サイト識別失敗ログ
拡張RADIUSサーバを使用している場合は、同じ時刻に次のRADIUS認証ログが記録されていないか確認します。
| パケットタイプ | 認証タイプ | エラーメッセージ |
|---|---|---|
Access-Reject |
-/- |
Rejected: There is no sites assosiated with sent NAS-IP-Address/NAS-Identifier./- |
このログがある場合、YAMAHA RTXが送信したNAS-IP-Address属性の値は、ログのNAS-IPに表示されます。RADIUSサイトのサイト識別する属性がNAS-IP-Address、属性値がログのNAS-IPと一致していることを確認してください。
YAMAHA RTXのRADIUS送信先設定
YAMAHA RTXでshow configを実行し、次の設定を確認します。
radius auth on
radius auth server <RADIUSサーバのプライマリIPアドレス> <RADIUSサーバのセカンダリIPアドレス>
radius auth port <RADIUSサーバのポート番号>
各設定値は、次の内容と一致させます。
| 確認項目 | 確認内容 |
|---|---|
| RADIUSサーバのIPアドレス | SingleID 管理者ポータル>認証>RADIUS>基本情報タブに表示される、使用するRADIUSサーバのプライマリおよびセカンダリIPアドレス |
| RADIUSサーバのポート番号 | 標準RADIUSサーバの場合は、RADIUSサイトで選択したサーバ番号に対応するRADIUSポート番号です。拡張RADIUSサーバの場合は、拡張RADIUSサーバに割り当てられたRADIUSポート番号です。 |
SingleIDのRADIUS設定
標準RADIUSサーバを使用している場合は、SingleID 管理者ポータル>認証>RADIUS>簡易設定タブで、対象のRADIUSサイトについて次の内容を確認します。
- 有効/無効が有効であること
- サーバが標準であること
- サーバ番号がYAMAHA RTXに設定したRADIUSポート番号と対応していること
- IP or ホスト名がSingleIDから見えるRADIUSパケットの送信元グローバルIPアドレスと一致していること
拡張RADIUSサーバを使用している場合は、次の内容を確認します。
- SingleID 管理者ポータル>認証>RADIUS>基本情報タブで、YAMAHA RTXに設定したRADIUSポート番号の拡張RADIUSサーバが登録されていること
- SingleID 管理者ポータル>認証>RADIUS>簡易設定タブで、対象のRADIUSサイトの有効/無効が有効であること
- サーバが拡張であること
- 登録した拡張RADIUSサーバのサーバ番号が選択されていること
通信経路
YAMAHA RTXからRADIUSサーバのプライマリおよびセカンダリIPアドレスへ、設定したUDPポートで通信できることを確認します。上位のファイアウォールやアクセス制御がある場合は、RADIUS通信が遮断されていないことを確認してください。
対象ユーザの認証結果ログがある場合
RADIUS認証ログのパケットタイプ、認証タイプ、エラーメッセージを組み合わせて確認します。
2. RADIUS認証ログの確認
| パケットタイプ | 認証タイプ | エラーメッセージ | 判断 | 確認内容 |
|---|---|---|---|---|
Access-Accept |
otp_xxxxxxxx/- |
-/- |
2要素認証に成功 | VPNに接続できない場合は、YAMAHA RTXの後続処理を確認します。 |
Access-Accept |
PAP/- |
-/The user account was found. |
パスワード認証に成功し、OTPは処理されていない | パスワード欄へ6桁のOTPを入力していること、パスワード:123456の形式になっていること、RADIUSサイトの2要素認証(OTP)のみ許可が有効であることを確認します。 |
Access-Reject |
otp_xxxxxxxx/- |
-/- |
パスワードまたはOTPが不正 | パスワードと6桁のOTPを再入力し、OTPを表示する端末の時刻を確認します。 |
Access-Reject |
otp_xxxxxxxx/- |
otp_xxxxxxxx: Server returned:/- |
ユーザ無効、OTP未登録、またはOTP入力形式不正 | ユーザの状態、OTP登録、パスワード欄の入力形式を確認します。 |
Access-Reject |
PAP/- |
pap: Cleartext password does not match "known good" password/The user account was found. |
OTP認証として処理されず、PAPパスワードが不一致。または、RADIUS共有シークレットが不一致 | 通常パスワードが正しいことと、パスワード欄へパスワード:123456の形式で6桁のOTPを入力していることを確認します。入力内容が正しい場合は、標準RADIUSサーバではYAMAHA RTXとRADIUSサイト、拡張RADIUSサーバではYAMAHA RTXと拡張RADIUSサーバに設定したRADIUS共有シークレットが一致していることを確認します。改善しない場合は、両方のRADIUS共有シークレットを同じ英数字のみの文字列へ変更して再度確認します。 |
| 上記以外の組み合わせ | (組み合わせによる) | (組み合わせによる) | 想定している認証結果と異なる | 認証タイプとエラーメッセージをRADIUS認証ログのエラー確認と照合します。 |
xxxxxxxxの数字部分は環境によって異なります。エラーメッセージの-は、該当するメッセージがないことを示します。
問い合わせ時に必要な情報
原因を特定できない場合は、次の情報を添えてお問い合わせください。
- 対象ユーザID
- 認証を試行した日時とタイムゾーン
- YAMAHA RTXの機種名およびファームウェアリビジョン
- 該当時刻のYAMAHA RTXのログ
- YAMAHA RTXのリモートアクセスVPNおよびRADIUS設定内容
パスワード、ワンタイムパスワード、RADIUSクライアントのシークレット、IPsec事前共有鍵は記載しないでください。